HACHIMARU NIKU8029運動
「8029」運動とは
平成30年度より千葉県歯科医師会は8029(ハチマル肉と読みます)事業を立ち上げました。
80歳になっても肉(蛋白質)を摂取して元気な高齢者を増やしていこうという運動です。
口腔機能を維持、向上を図り生涯を通した食支援をして健康寿命の延伸を目指していきます。
その運動の象徴的な言葉が「8029」です。
80歳になっても肉(蛋白質)を摂取して元気な高齢者を増やしていこうという運動です。
「8029」運動とは
8029・健康寿命延伸事業について
東京都健康長寿医療センターは、長寿社会を健やかに過ごすための指針である「新健康長寿ガイドライン」の中で「健康長寿のための12か条」を提言しました。その第1条に「食生活・・・いろいろ食べて、やせと栄養不足を防ごう!」、第2条に「お口の健康・・・口の健康を守り、かむ力を維持しよう!」と記しています。特に高齢期は「フレイル」を予防していくことが重要であると述べています。フレイルとは徐々に心身が弱り要介護に近づくことですが、栄養不足になり筋力が衰え(サルコペニア)、運動機能が低下し、社会参加が減ることで老化が早まることが分かってきました。食事の量が減るとエネルギー量や体の細胞を作っている蛋白質が不足します。同医療センタ―はBMI(体重÷身長÷身長)が20以上、血中アルブミン値(肉、魚、大豆などの蛋白質から作られる成分)を4.0/dl以上を維持することを提言し、肉を食べること、良質な蛋白質を摂取することが健康長寿に不可欠であり、「低栄養」は要介護や死亡のリスクを上げることになると説明しています。
日本は男女とも平均寿命が80歳を超えて超高齢社会に突入しました。しかし平均寿命と健康寿命は10歳以上の開きがあり晩年の十数年はフレイルになり介護を受けることが多くなります。その間、急性期 →回復期→慢性期→長期リハ期 といったケアサイクルを過ごすことになり、そのケアサイクルは男性で3~5回、女性で5~7繰り返します。一旦ケアサイクルに入ると口腔機能は低下し誤嚥性肺炎を起こすリスクが高まります。フレイルを予防するには食事・運動・社会参加が重要であると申し上げましたが、同時に健康寿命を延伸するためには日ごろから口腔機能(かむ機能と飲み込む機能)を管理することを忘れてはなりません 。
また、 療養生活になると栄養素の摂取は健康時に増して重要なってきます。 がん患者さんの8割が、実は感染症で亡くなっていることをご存知でしょうか 。感染症には食べ物や細菌等が気管に入ることで起こる誤嚥性肺炎、口腔内等の血管や、治療時に使用しているカテーテル(管)などから細菌が侵入して起こる敗血症など様々あります。その多くの原因は栄養障害による免疫機能の低下にあるといわれています。特に、療養生活の方や高齢者とって栄養障害は直ぐに死を招く恐れがあるのです。
皆さんはどういう人生を送りたいと思ますか。いつまでも健康で長生きをしたいと考えているのではないでしょうか。年齢と共にフレイルに陥り要介護生活にならない、また不幸にして入院しても退院後は社会復帰ができる元気な高齢者を目指していきたいと思いませんか。そのためには、高齢になればるほど口腔機能を維持・向上して良質な蛋白質を摂取しアルブミン値を上げていくことが大切になります 。
平成30年度より千葉県歯科医師会は「8029 (ハチマル肉と読みます)・健康寿命延伸事業」を立ち上げました。80歳になっても肉(蛋白質)を摂取して元気な高齢者を増やしていこうという運動です。私たちは健康時、フレイル、療養時、要介護の どの場面でも栄養サポート、食支援をしていくことを進めていきます。その運動の象徴的な言葉として「8029」を提唱します 。是非この事業の趣意をご理解いただきたく衷心よりお願い申し上げます。
一般社団法人千葉県歯科医師会
会長 砂川 稔