砂川歯科袖ヶ浦医院

よくあるご質問

Q&Aよくあるご質問

幼少期編

むし歯は子どもにうつるのでしょうか?

むし歯や歯周病は、生 活習慣病の一つであり、様々な因子がその発生や進行に関与します。基本的には細菌による感染症なので子どもにうつります。正確に言うと、口の中の細菌叢 (同じ細菌の固まりの種類)が移ると考えてください。
 赤ちゃんは無菌状態で産まれてきて、その後ヒトに棲む様々な常在菌に感染し、共生するようになります。むし歯の原因菌も口腔常在菌の一種で、その口腔へ の定着には歯が充分生えていることが必要であり、乳幼児期の前半に感染するのが一般的と考えられます。離乳食や幼児食の初期に、スプーンやお箸の併用や、 食物を口移しで与える機会があることによるのかもしれません。
 むし歯のなり易さは、甘いものを好むことや歯周囲の汚れが持続する他に、口腔に棲んでいる原因菌のタイプと量にも関連すると考えられます。お母様がご自 身の口の中をきれいにして、病原性の弱い細菌と共存しその数を減らしておくことが、乳幼児期のお子様のむし歯予防に大いに役立ちます。

フッ素は効果がありますか?

歯の表面に取り込まれ たフッ素は、歯の結晶性をさらに向上させます。また、初期のむし歯となった部分(脱灰と言います)の再石灰化を促します。したがってフッ素は、歯が生えた 後2,3年以内の歯質が未熟な時期に最も効果的であり、むし歯にかかる割合を20~40%減少させると報告されています。また、乳歯は永久歯より結晶性が 劣るため、フッ素の効果は永久歯よりむしろ高くなります。
フッ素を歯に取り入れるには、いくつかの方法があります。
  1. 歯科医院や保健所で年に数回歯に直接塗布してもらう
  2. 歯科医院でトレー法や、イオン導入法を行う
  3. フッ素の含まれる洗口剤でうがいをする
  4. フッ素含有歯磨剤を毎食後の歯ブラシ時に使う

 当院では、年齢に応じて上記の1.2.の方法で実施しています。
歯にフッ素を処理する際には、まず歯ブラシができていないといけません。

シーラント(予防填塞)というものをすると、むし歯予防になると聞きましたが・・・

臼歯咬合面の窪みや溝 (小窩裂溝といいます)の部分は、最もむし歯が発生しやすい場所の一つです。
小窩裂溝の底部は歯垢が溜まりやすく清掃が難しい部位にもかかわらず、フッ素 を塗布しても、その効果は歯のつるつるした面(平滑面)よりもかなり劣ります。
そこで、小窩裂溝をあらかじめ埋めて封鎖(シール)し、歯垢が溜まりにくい よう形態修正するのがシーラントといいます。萌出後成熟の不十分な、生えてから2,3年以内の乳臼歯や大臼歯が適応です。
 シーラントは歯に接着するレジンという材料を用いて行うことが多く、きちんと歯質に接着させるためには、薬剤によって歯面を処理後、十分乾燥した状態で 小窩裂溝を覆うように塗布する必要があります。
防湿が不完全ですとシーラントが部分的に剥がれやすく、剥がれると逆に、嫌気性細菌であるむし歯病原菌に とって非常に棲みやすい状態となります。
したがって、シーラントは、治療に子どもの協力が得られ、しっかりと防湿ができるようになってから行うべきです。 個人差はありますが、3,4歳から適用可能となります。

ぶつけた後、乳歯が黒ずんできましたが・・・

歯をぶつけた後、色が 変わってくるのは、歯の神経(歯髄といいます)が変性したことをあらわします。
ただし、ぶつけた直後と2,3カ月以降におこる変色では意味合いが異なります。
ぶつけた直後の淡い変色は、いわば歯髄の内出血と考えてよく、多くの場合自然に消退していきます。
重要なのは、2,3カ月以降に灰褐色の着色が起こっ てくるかどうかです。
つまりそれは神経(歯髄)が死んでしまったことをいみします。
神経が死んでもそのまま生きた歯と変わらずに使える場合もありますが、 不幸にして感染を起こして根尖周囲の歯肉が赤く腫れ膿をもこともあります。その際は根の治療が必要になります。
 失活の診断には、現在のところ、歯に微弱な電流を流してその反応の有無により判定する方法(電気的歯髄診)が最も用いられますが歯の根が成長途中だった りすると正確に診断できないこともあります。
また、乳前歯は6,7歳に交換しますので、失活してもすぐに根の治療(感染根管治療)をするわけではありません。
症状が著しい場合には、直下にある後継永久歯へ影響を及ばせないために、あえて乳歯を抜去することもあります。

上唇の裏側の長い筋は、手術してとった方がいいと聞きましたが・・・

上唇の裏側の長い筋 は、口腔粘膜の一部が歯肉に付着するひだであり、上唇小帯と呼ばれます。
乳児期の上唇小帯は比較的に太く、上の前歯が萌出した頃に、真ん中の歯と歯の間の 歯肉まで付着部位が伸びていることがあります。
しかし乳幼児以降発育をするに従って上唇小帯の付着部位は徐々に上がって歯から離れていくのが一般的です。
 3歳児歯科健診の際、上の真ん中の前歯に空隙(正中離開)があり、かつその近くまで上唇小帯が伸びている場合に手術を勧められることもあります。
手術の必要の有無は専門医に診てもらい判断することをお勧めします。

子供が歯磨きを嫌うのですが・・・

絵本や子供向けのテレ ビ番組などで遊びながら歯磨きの習慣をつけるように心がけるといいと思います。
お子さんが小さいうちはお母さんが仕上げの歯磨きをする必要がありますが、その際、気をつけることは上唇の裏にある筋(上唇小帯)を指でガードしてあげてください。
そして、痛くない歯磨きを心がけてください。また、お子さんの口 のサイズに合った歯ブラシを使い、強く磨きすぎないことも大切です。

大人編

妊娠している時に歯の治療を受けられますか?

基本的には妊娠中でも歯の治療は受けられますが、治療をする場合は妊娠5~7カ月の安定した中期が適しています。流産の危険性がある妊娠初期、治療中の姿勢や治療時間などに制約の加わる妊娠後期は避けた方が無難です。
 妊娠中期でもレントゲンの撮影には充分注意する必要があります。エックス線被爆の影響は、組織分化が未熟な胎児ほど強いとされています。一方、局所麻酔薬も含めて、歯科で用いる薬剤が体内で代謝される際に、胎盤を通して胎児に取り込まれる心配はほとんどありません。しかし、あくまでも妊婦ですから、緊急性の高い治療を中心に行い、薬剤の使用も最小限とした方がよいでしょう。
 受診される場合、妊娠されていることとその時期を告げていただければ、必要によって産婦人科医と連絡をとりながら、その後の治療に充分な配慮をします。

口内炎ができましたが・・・

口内炎は歯科で受診できます。頻繁にできたり、症状がひどいときには他の病気の可能性もありますので、気になるときは早めに受診してください。早く治すには刺激のある食べ物を避け、口の中を清潔にすることが必要です。

知覚過敏とは?

知覚過敏とは、歯を強く横磨きして歯が削れたり、歯周病や加齢のために歯茎が後退して象牙質が露出し、そこに冷たいものや温かいものなどの刺激によってしみることをいいます。よく歯を磨いて清潔にすることが大切ですが、強く磨き過ぎないように気をつけましょう。また、むし歯が原因でしみていることもあるので、一度、歯科医院にて受診することをお勧めいたします。

義歯安定剤について教えてください。

義歯安定剤にはパウダー、ペースト、ソフトライナーなどの種類があります。基本的にはペーストタイプの義歯安定剤をお勧めしています。ソフトライナータイプは乾燥すると剥がすのが困難になりますので注意してください。しかし義歯は調整をすれば安定剤が必要ないこともありますので、まず、歯科医院にて受診してみてください。また、どうしても義歯安定剤を使うときには、歯科医師に相談の上、お使いになることをお勧めします。

歯並び編

おしゃぶりや指しゃぶりは歯並びに悪い影響がありますか?

最近いろいろなおしゃぶりが出てきています。おしゃぶりの長期使用は好ましいことではありません。乳歯の奥歯が出てきたらおしゃぶりの使用を止めるようにしましょう。同様に指しゃぶりも3,4歳過ぎて続けていると、歯列形態に特異的な変化が認められ、発音にも影響しかねません。上あごの切歯が少し前に出て本来U字型の歯列弓がV字型となったり、上下切歯がかみ合わず隙間ができてきたりします(開咬という)。ただし、4歳頃までに指しゃぶりをやめれば、形態の異常が自然に治ることも報告されています。
 指しゃぶりは、子どもの心と体の発達において、通過しなければならない道の一つと考えられています。子どもにとって精神的な満足を得る手段を増やしたり、外遊びなどを通じて社会性を豊かにすることにより、3歳ぐらいまでには指しゃぶりを卒業するのが好ましいといえます。3歳を過ぎても指しゃぶりが止められないのは精神的なストレスが原因の場合が多いといわれています。時間をかけて原因を理解し解消していけるようにしていきましょう。いずれにしても、指しゃぶりは無意識下で反復する運動の習癖です。そのことを子供に分かってもらうことは極めて難しいことです。時間をかけて治療していくことが重要です。

前歯のでこぼこや重なりが気になります(乱杭歯)・・・叢生
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歯がでこぼこに並んでいたり、重なっている状態を叢生といいます。切歯交換期の叢生は、上下顎咬合関係にほぼ問題がなければ、すぐに本格的な治療は開始しません。発育の過程で補正機構が働くよう歯の交換を誘導しながら、永久歯列期を待って治療の必要性を判断します。ただし、上下の切歯が入り組んで噛み合うことにより、下顎の自由な咀嚼運動が阻害されたり、個々の歯の歯周組織に悪影響を与えている場合は早期治療の対象となります。
 叢生の治療では、歯列全体の長さと、個々の歯の幅を足した長さとの差(トータルディスクレパンシーといいます)がポイントとなります。ディスクレパンシーが僅かであれば、歯列を多少拡大しながら、歯列弓形態の歪みを治して個々の歯の位置を修正します。一方、ディスクレパンシーが大きい例では、第一小臼歯などを抜去して生じた空隙を利用し、歯列全体を再配列する方法がよくとられます。当院では、出来るだけ歯を抜かない矯正を心がけています。

上の前歯が出ていています。唇を自然に閉じられません・・・上顎前突
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俗に言う「出っ歯」です。下顎歯列に対して上顎歯列が前方に突出している噛み合わせを上顎前突といいます。しかし、上顎骨そのものが突出している場合と、下顎が後方に引っ込んでいる場合があります。骨格的なものを疑う症例は上・下顎の位置関係を分析する必要が出てくることがあります。上顎の前歯が唇側へ傾斜しているだけの軽度な症例もあります。
いずれの症例にしても口元が不自然になるなど、子ども自身への心理的影響も大きく、早期の治療を考慮すべき咬合異常の一つです。
上顎前突の成り立ちには顔かたちの遺伝的要因に加え、幼児期の長く続いた指しゃぶり、その後の唇を噛む癖(咬唇癖=こうしんへき)、口呼吸などが関連します。口腔内外の要因を考慮しながら治療方針を決めることになります。
混合歯列期での治療は、身長の伸びが著しくなり始める小学校の高学年頃に行うと効果的です。身長の伸びと下顎の成長は一致することが多いので、その時期に装置を使い下顎の成長を促すとよいといわれています。

受け口なのですが、いつ頃矯正治療を始めたらいいのでしょうか?・・・下顎前突
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受け口すなわち反対咬合は大きく分けて、上下顎の前後的大きさの違い(上顎の劣成長ないし下顎の過成長)が主な原因である骨格的な反対咬合、前歯の軸の傾き(切歯歯軸傾斜)による反対咬合に分類されます。両者の要因が混在することが多いのですが、治療は、骨格性は難しく、機能性は比較的容易といえます。
 骨格性要因の強い反対咬合は、乳歯列期から治療した方が咬合の改善が容易となります。チンキャップと呼ばれる口腔外に装着する装置などにより、1,2年かけて下顎の成長方向と量をコントロールします。
一方、主に前歯の傾斜からなる反対咬合では、上下永久歯の前歯が噛み合った時点で、前歯の軸傾斜や下顎の前突を取り外しの入れ歯のような装置や歯に直接接着させる装置で改善を図ることが出来ます。
 ここで大切なことは骨格的な反対咬合は、15~18歳を過ぎて下顎の成長が終わってしまうと矯正で治すことが無理になるということです。その際は外科的な治療に頼らざるを得なくなります。外科的治療は、保険が効きますが、入院し全身麻酔の手術になりますので必ずしも費用的に安くあがるとはいえません。何よりも手術の精神的な負担、入院で仕事を休むデメリット、急激に顔貌が変わることの抵抗、噛めるようになるまでのリハビリの負担、後戻の可能性等々を考えると、外科的な対応よりも早いうちの矯正をお勧めします。
いずれにしても、早期に専門医に診察を受けることをお勧めします。

その他編

転んで歯を折ってしまったのですが?

歯の破折では、その部位が歯の軟組織である歯髄(神経)に及んでいるかどうかで処置が異なります。破折部位が歯の先端に近く歯髄が露出していたり、出血していなければ、失われた部分をそのまま接着性コンポジットレジンなどで修復することができます。折れてしまった片割れが利用できれば、さらに審美的かつ機能的な修復が可能です。しかし、瞬時に歯を折るほどの強い外力は、歯髄全体や歯周組織にも何らかの影響を及ぼしたことも予想されます。数ヶ月後に歯が変色してきたり、歯根外形の一部が吸収されることも時にあります。受傷後最低でも1年ほどは、定期的な歯髄生活反応診査やレントゲン撮影などの注意深い予後観察が必要です。
一方、破折部位からピンク色に歯髄が透き通ってみえたり、すでに出血している(露髄=ろずい)際には、歯髄の一部を滅菌下で除去し薬剤を貼付してから(部分的生活歯髄切断法)、同様に歯の形を修復します。永久歯が萌出しても3年以内は、歯髄組織に誘導される歯根形成が持続しており、歯髄の完全除去は好ましくありません。受傷してから1日以内であれば、露髄面から細菌が歯髄深部まで感染していない場合もあり、部分的生活歯髄切断法の成功率が高いといえます。

強く歯をぶつけて、歯が抜け落ちてしまいました

不幸にして歯が抜け落ちてしまっても、抜けた歯の保存状態や歯科医にかかるまでの経過時間によっては、歯を元の位置に戻し、機能を回復させることができます(再植)。歯を乾燥させないこと(歯根膜繊維を生存させるため)、再植固定まで2時間以内が成功の目安となります。
 歯を湿潤状態で保存するといっても、水道水に浸しては歯根膜繊維の生存は望めません。身近に使える溶液としては、牛乳がよいとされています。また、学校の保健室には市販の歯の保存液が常備されていることがあります。歯髄を除去し、根管を人工物で封鎖(根管充填)してから再植固定するのが一般的ですが、萌出してから2、3年以内の根未完成永久歯では、歯髄の再生が期待できる可能性も僅かながらあります。
 歯根膜繊維の歯槽骨への生着には、固定期間が比較的短い方が有利なようです(1週間から10日)。歯根膜が生着しないと歯根は直接歯槽骨と癒着し、再植歯と隣りの歯との高さが年々違ってきます。また、著しい歯根吸収をおこし1、2年以内に抜去せざるを得ない場合もあります。しかし、歯列咬合の成長期に、入れ歯などでなく自前の歯で過ごせることは子どもにとって福音であり、再植の意義は極めて高いといえます。

口が開きにくく顎が少し痛いのですが・・・顎関節症

口をあけると音がする(関節雑音)、顎の関節が痛い、口があきにくい(開口障害)を主症状とする疾患を顎関節症といいます。10代前半から散見され、10代後半から20代に多く発症します。最近では年齢に関係なく見られるようになりました。原因として噛み合わせの乱れ、ストレスなどの心理的要因の両者があげられていますが、まだ確定されてはいません。
 中、高校生の同一集団における顎関節症の発症を経年的に調査した研究では、主症状の発生頻度の増減が認められます。初発症状としては関節雑音が多いのですが、必ずしも重症化していくとは限りません。三つの症状が揃っても、一過性であり自然に消退することもみられます。したがって初期のうちは関節の負担を軽くするスプリント療法が適当と思います。
 スプリント療法では、ボクシングなどで用いられるマウスピースを小さくしたような装置を、就寝時を中心に、歯列上に装着します。咬合を僅かに挙上することにより、顎関節にかかる負荷を減少させ、安静化を図ります。多くの症例で、装着数日後には症状が緩和し始めるようです。3ヵ月ほど装着を継続した後、経過観察を行います。

キシリトールは歯によいと言われていますが何故ですか?

キシリトールはシラカバやトウモロコシの芯などから取れるキシラン・へミセルロースという物質を原料とした甘味料です。砂糖はむし歯の原因となる酸を作りますが、キシリトールは作りません。更にむし歯の活性を阻止しむし歯を予防します。また、唾液の分泌を促しお口の中の自浄作用を高める働きをします。むし歯予防に適した甘味料といえます。